冬のオフシーズンに愛車のオーバーホールのご依頼を頂きました。
例によってまずはバラして洗浄していきます。

バラして…








…バラせねぇ!!


フォークがびくともしない。トップキャップを外そうが、ステムのボルトを外そうが微動だにしない。どうなってんだこれ。


DSC00640
こうなってました。

「こう」ってのもよく分からない状態ですが、長年の汗とサビとゴミの蓄積でフォークコラムとスペーサーが文字通り一体化しています。引っ張ろうが叩こうが外れる気配がありません。

DSC00642
仕方ないので少しずつサビや汚れを削り落としながらあの手この手で1枚ずつ抜いていきます。回転はかなり重いものの一応ヘッドは回るので「外れないのはスペーサーが固着してヘッドカバーに蓋をしているため」という仮説(というか縋りたい希望)をたてて作業を進めていきます。

DSC00643
作業開始から数時間経過…残すは1枚のみ。ヘッドパーツは生きてる説を立てているため、カバーを傷つけるわけにいかずここから作業はさらに難航します。

LRG_DSC00644
お、外れそう。これはいける!もう一息だ!!

IMG_5272
パカッ!!

おらー!どうだ!!ついに外せました。やってやりましたよ。

ヘッドパーツは生きて…ない。完全に死んでます。むしろ干からびてもうミイラまでいってました。オーバーキルです。

わずかな希望はもろくも崩れ去りました。

IMG_5283
さて…どうしましょう?さっきまでのスペーサーは固着具合がとにかく酷く、心が折れかけたものの、アルミ製のコラムであることや、パーツ自体が露出していたため工具でアプローチしやすく力もかけやすかったんです。


しかし、ここからは…カーボンフレームの中。とっかかりがなく、へたに力をかけるわけにもいきません。絶望を超えた先にあったのは真の絶望でした。(胃が痛い。)


ここからは自転車用工具の出番はなし。あれこれ精密で使えそうなものを用いてトライ&エラーを繰り返していくだけになります。


そして数日後…


DSC00945
とれました。涙がでそう。


LRG_DSC00946

IMG_3432
安らかに眠ってください…

IMG_3406
パーツさえ外れればこっちのもの。いつもどおり分解して洗浄していきます。

IMG_3427
貫禄ありすぎなフォーク。よく頑張ったね…

IMG_3434


IMG_3443


IMG_6653
ディレイラーのケージはひしゃげていてプーリーが回りにくくなっていました。プレートとプーリーを新品に交換です。

IMG_6648



IMG_3433
ヘッドだけでなくいろんな場所が大変なことになっています。


IMG_6660


IMG_6697


IMG_6663

IMG_6669

IMG_6730
そんな過程を経て組み付け。
洗浄整備と痛んだパーツの交換を経て自転車が蘇りました。

IMG_6735

IMG_6741
ケーブル類は日泉ケーブルにしています。しなやかなアウターのおかげでブレーキタッチだけでなくハンドリングも軽くなりました。

IMG_6743


IMG_6745
今回のオーナー様の自転車は決して雑に扱われていたわけではありません。しかし、乗り方や環境によってはパーツにダメージは蓄積していくもの。まめにメンテナンスや状態チェックを受けていただけるだけで快適さが続くことはもちろん、費用面でもずいぶんお得になると思います。
具体的に今回の作業では、数日の作業期間とフレーム破損のリスクを店が負うことを考えれば本来10万円程度ではきかなくなってしまいます。これはグレードによっては買い直したほうがいいレベル。
一方、いつも私たちがお願いしている定期的なメンテナンス(例:ヘッド周りの洗浄グリスアップ)であれば数千円〜で済む話。パーツの寿命が延びることはもちろん、いつも良い状態で乗っていただくことが可能です。
 
点検や見積もりは無料ですので、いつでもお気軽にご相談ください。

---------------------------------------
【南船場店】
営業時間:11:00 〜 20:00
TEL:06−7182−2721
e-mail:kandmcycle4@gmail.com
定休日:なし 

【堺 上野芝店】
営業時間:11:00 〜 20:00
TEL:072-247-9914
e-mail:kandmcycle4@gmail.com
定休日:毎週水曜日